「JCAAのあと施工アンカー技術管理士試験の過去問がないんだけどどうやって勉強するの?」
私はあと施工アンカーの技術講習で配布されたテキストの問題をコピーして勉強に役立てました。
問題が掲載されているページをコピーしたり、問題と解答がくっついているページを離したりする作業にとても時間がかかりましたが、その後の勉強効率はとても上がったと思います。
見出し | 内容 |
---|---|
知識Ⅰ | あと施工アンカーとは |
知識Ⅱ | 母材のコンクリートについて |
知識Ⅲ | 物理 |
知識Ⅳ | 法規 |
知識Ⅴ | 品質管理と工程管理について |
さて、私が受験したあと施工アンカー技術管理士の試験日は2024年8月25日(日)でした。
技術講習は2024年7月20日と21日だったので、技術講習会場でテキストを受け取ってから試験日まで約1か月ありました。
私は記憶力の維持と長期間の努力がつらいので、できるだけ試験日に近い日から勉強を開始することにしました。
ちょうど都合の良いことに、2024年8月は土日を合わせて9日間の連休があったので、この休暇を有効利用しました。
8月10日から準備を開始して、連休最終日の18日までの9日間で模擬テスト3回目と復習までを完了しました。
試験勉強に費やした時間は下記の通りです。
準備 | 5時間 |
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1回目の模擬テスト | 3時間 |
復習兼2回目の模擬テスト | 5時間 |
3回目の模擬テスト | 2時間 |
要点まとめ表のブラッシュアップ | 4時間 |
知識Ⅲの解の公式の暗記 | 1時間×4日 |
理解力確認模擬テスト | 3時間 |
最終模擬テスト | 3時間 |
合計勉強時間 | 29時間 |
合計勉強時間は約29時間、勉強日数は15日でした。
勉強時間の多くを知識Ⅲの物理に費やしました。
知識Ⅲ以外についてはある程度把握している事だったので、改めて覚えることは少なかったです。
さて、それでは私の勉強方法について少し詳しく解説していきます。
目次
効率よく勉強するための準備
まずはあと施工アンカー技術講習テキストに掲載されている問題と解答をプリントアウトしました。
1ページずつコピーするのが面倒だったので、スマホのメモ帳機能のカメラで撮影して補正を加えながら画像として保存しました。
それらの画像をプリントアウトして、問題が掲載されているページに解答も掲載されている場合は、切り取って問題と解答に分けました。
私は勉強をするよりもこれらの作業が一番嫌でした。
さて、テキストに載っている問題を元に、解答用紙をExcelで作成しました。
解答についても、この解答用紙に正答表としてまとめました。
知識Ⅲの解答の書き方については、自分が覚えやすいような形式に変更して、上記のような形になりました。
模擬テスト1回目
あと施工アンカーの技術講習を受けただけの状態で、今の自分がどれぐらい解けるのかを確認しました。
模擬テスト1回目の結果は、知識ⅠとⅡは6割、知識Ⅲは1割、知識Ⅳは8割、知識Ⅴは10割の正答率でした。
知識Ⅲが絶望的でした。
自分の理解が浅い箇所をテキストで確認して、その解説を元にした表やテキストを要点まとめ表としてエクセルに書き込みました。
模擬テスト2回目
分からなかった箇所をテキストの解答と解説を見ながら復習しつつ、自分がどれぐらい理解しているのか確かめるために2回目の模擬テストを実施しました。
物理以外は問題なさそうです。
Youtubeに曲げモーメントについての分かりやすそうな解説動画があったので、それを見て理解を深めました。
解説動画の例題をスクリーンショットしてプリントアウトしてから解答しました。
消しゴムをイメージしながら何度か解いたことで、例題のせん断力図とモーメント図は何となく覚えることができました。
静定ばりに生ずる断面力と反力については図を丸暗記することにしました。
ネットで調べた解説とテキストの解説を比較すると力のプラスマイナスが異なることがありましたが、テキストの通りに覚えることにしました。
個人的にはテキストのプラスマイナス図の方が正しいと思っています。
テキストの資格レベル星2と3の箇所に付箋を貼りながら一読する
あと施工アンカー技術管理者試験についてネット検索すると、出題内容は★★★からが一番多いようで、次いで★★からといった感じである事が分かったので、テキストの資格レベル星2と3の箇所に付箋を貼りました。
付箋を貼った箇所については一読しましたが、知識Ⅰ,Ⅱ,Ⅳ,Ⅴの内容は何となく理解しているので、知識Ⅲを重点的に勉強していこうと思います。
模擬テスト3回目
知識Ⅲの物理の理解が浅い、というか公式を全く覚えていないので、知識Ⅲの問題がほとんど解けません。
ひとまず要点まとめ表を見ながら解いて、何度も同じ解き方をして公式を覚えようと思います。
要点まとめ表をブラッシュアップ
模擬テスト3回目の知識Ⅲの復習の時に、要点まとめ表に不要な部分や追記したい項目があったので、自分が覚えやすいように色々と変更を正しました。
私が変更したのは下記の通りです。
- 「bαe」と「sαe」を「αe」に変更
- 「π・ℓe(ℓe+da)」を「π(ℓ-da)ℓ」に変更
- 金属拡張アンカーと接着系アンカーの引張耐力とせん断耐力の公式で重複しているものを削除
私が独自に手を加えた方法なのでオススメはしませんが、個人的には覚えることが減ったので良かったです。
知識Ⅲの物理の公式とその他暗記しておきたい箇所を4日間毎日思い出し書き出し
知識Ⅲの物理の公式を覚えることに苦戦したので、ブラッシュアップして覚えるところを少なくした要点まとめ表の内容を毎日思い出しながらノートに書きこむようにしました。
1日目はカンニングしながら書き込みましたが、2日目からは間違えることなく書き込めるようになりました。
試験前々日の模擬テスト
模擬テストを通しでするのは4回目になります。
許容引張力と許容せん断力の公式を覚えたので、模擬テストに関してはほぼ問題ないところまで来れました。
あとはせん断力図とモーメント図の最大値の公式を覚えれば仕上がりそうです。
試験前日の最終模擬テスト
5回目の模擬テストは苦行でした。
わかりきったことをするのは全然楽しくありません。
過去問や模擬テストが配布されればもう少し学習意欲が高まるのですが、どうなんでしょうかJCAAさん。
それはそれとして、テキストに出てくる演習問題のような出題であれば問題なく答えられる自信はつきました。
実際の試験ではテキストの演習問題や例題がそのまま出題されることはないでしょうが、今回の勉強方法に全く後悔はありません。
これで不合格になったとしても仕方がないと思えるぐらいの努力はできました。
試験が終わっての自己評価
午前の学科試験が7割、午後の耐力計算試験が6割以上くらいはできたのではないかと思います。
テキストの解説や例題には載っていない問題もいくつか出ていました。
午前の学科試験は○×の2択問題が30問、4択問題が18問の合計48問でした。
午後の耐力計算試験は10問ありましたが、計算式を書く欄が7か所あったので、感覚的には17問でした。
午前も午後も電卓を使うような問題が出たので、もし電卓を忘れてしまったら計算が地獄だったと思います。
試験問題を持って帰ることができないことと、解答発表がないことと、テキスト以外の例題がないことで自分の解答が正しいのか間違っているのか調べようがありません。
一般的な試験の合格ラインの正答率6割以上であることを祈るのみです。
合格発表
無事合格しました!
ふぅ。
テキストの演習問題と例題を模擬テスト代わりに使って、あとは資格レベル★★と★★★を重点的に学習したことが合格につながって良かったです。
はじめは簡単に受かるだろうと考えていましたが、全然楽な試験ではありませんでした。
試験の難易度的には危険物取扱者乙種4類と同レベルぐらいだと思います。
ノー勉で合格を目指せるものではありませんんでした。
それにしても過去問がなくて試験の問題の解答も分からないような環境で良く合格できたなと思っています。
試験の問題も解答も非公表、合格ラインもわからないというのは法令的に問題にはならないんでしょうか。
本当に疑問です。
実際の試験はどんな問題が出たの?
学科試験で、「アンカーの引張力を求める公式はどれか?」みたいな4択問題が出題されました。
たしか「T=(FH・h-Fv・Lg)/L」のような式で、真ん中の「-」が「+」になっていたり、「Lg」と「L」が入れ替わっていたり、最後の「/」が「・」になっていました。
テキストで確認しましたが、そんな公式は掲載されていませんでした。
ネットで調べても良く分かりませんでした。
ただ、その後に続いた問題の中に「引張応力度=引張力/断面積」「ひずみ度=応力度/ヤング係数」で求める問題があったので、これらの答えから逆算して合致した式を選択しました。
この問題はあてずっぽうではなく、自分で導いた答えだったので正解は分からなくても納得できましたが、午後の耐力計算試験の問題にはかなりイライラさせられました。
私がイライラした問題は計算問題で、分母に「(何か忘れた)・nt」と書かれていて、その下のntの説明に「n=2:引張力を受けるアンカーの本数」と書かれていました。
コロン「:」は比を意味しているのか、2という数字の説明をしているのか分かりませんでした。
テキストを見てもこのような問題の解説は見当たらなかったので、私はモヤモヤしたままです。
せめて、試験問題と解答については合格発表後でも良いので公開してほしいものです。
公式は覚えたほうが良いの?
覚えたほうが良いです。
というか覚えておかないと解けない問題がいくつかでました。
前述していますが「引張応力度=引張力/断面積」「ひずみ度=応力度/ヤング係数」は覚えていたから答えられた問題でした。
「伸び=ひずみ度×長さ」も覚えていましたが、こちらは出題されませんでした。
水セメント比の計算問題も出題されました。
水セメント比が重量比である事を知っていなければ間違えるような問題になっていました。
私が受けた試験では許容引張応力を求める公式が問題文に掲載されていたので、それは覚えていなくても大きな問題にはなりませんでした。
「Ta1=δy・αe」みたいなやつです。
ただ、接着系アンカーの引張応力度のTa1がどの破壊モードに対応しているのかについては掲載されていなかったので、覚えておく必要がありました。
結論としては、覚えられるなら全部覚えておいたほうが良いです。
はい、ということでJCAAのあと施工アンカー技術管理士試験の過去問がない中で私が勉強した方法は、あと施工アンカーの技術講習で配布されたテキストの問題をコピーして、模擬テストのように活用したことです。
問題や解答が掲載されているページのコピーや問題と解答がくっついているページを離す作業にとても時間がかかりましたが、それだけの時間を割いたことが今回の合格に結び付いたことを考えれば、良い時間の使い方でした。
あと施工アンカー技術管理士の試験申し込み前に合格率をネット検索した時は40%ぐらいという事だったので安易に考えていましたが、実際に試験に申し込んで技術講習のテキストを見てみると私の知識レベルではしっかり勉強しないと合格できないと思い知らされました。
初めて金属拡張アンカーと接着系アンカーの許容引張荷重と許容せん断荷重を求める公式を見た時はうんざりしましたが、しっかり勉強したおかけで今は特に苦手意識はありません。
次は第2種あと施工アンカー施工士を受験して、加力試験を1人でできるように頑張ります。
以上「JCAAのあと施工アンカー技術管理士試験の過去問がないから工夫したこと」でした。