「高度専門職の在留資格を取得するときに企業側はどんなことをしなきゃいけないの?」
特定の書類を準備して採用した外国人に渡す必要があります。
法務局で発行してもらえば良いだけの書類もありますが、記入が必要な書類もあります。
- 高度専門職の在留資格を取得するときに企業側が準備する必要がある書類
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- 【印刷】決算報告書
- 【取得】履歴事項全部証明書
- 【記入】在留資格変更申請書
- 【作成】雇用契約書
- 【作成】給与年間収入見込み証明書
- 【作成】採用理由書
これらの中で一番時間がかかったのが採用理由書です。
私は休日ブロガーをしているので文章を書くのは苦手ではありませんが、専門家に見ていただいたところ3回もダメ出しをくらってしまいました。
最終的に専門家がリライトした文章を提出して審査に1発合格することができましたが、私のブロガーとしてのプライドはズタボロになりました。
まあそんな事はどうでも良いのですが、とにかく簡単に準備できる書類から解説していきます。
目次
決算報告書
最新の決算報告書をプリントアウトしてください。
決算月を変更したりして年間の正確な損益がわかりづらくなっている場合は、前年度や前々年度の決算報告書もプリントアウトしておきましょう。
履歴事項全部証明書
法務局に行って3か月以内の会社の履歴事項全部証明書を取得してください。
誰でも取得可能な書類なので、代表取締役じゃないと取得できない、なんてことはありませんのでご安心ください。
在留資格変更申請書
出入国在留管理庁の公式ホームページから高度専門職の在留資格変更許可申請書をダウンロードして記入してください。
はじめて高度専門職の在留資格を取得する場合は、必ず高度専門職1号となります。
採用した外国人がどの分野で活動をするのかによって申請する用紙が異なるのでご注意ください。
高度専門職1号(イ) | 研究や研究の指導・教育をする場合 |
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高度専門職1号(ロ) | 科学の知識や技術を要する業務に従事する場合 |
高度専門職1号(ハ) | 経営管理をする場合 |
高度専門職2号 | 高度専門職1号で3年以上活動を行っていた場合 |
在留資格変更申請書は分野に応じてI・L・M・Nと表記が分けられていますが、私はNと表記された申請書に記入しました。
なぜNを選択したのかというと、実はその理由についてはわかっていません。
専門家から言われるがままに記入したため、I・L・M・Nという違いがあることを今知ったくらいです。
正しくは最寄りの法務局にお問い合わせください。
雇用契約書
様式に決まりはありませんが、表記しておかなければならない項目がいくつかあるのでご注意ください。
企業と個人でそれぞれ保管する必要があるので、同じ内容の書類を2通用意してください。
給与年間収入見込み証明書
高度専門職の申請要件の一つに、最低年収基準として年間で300万円以上の給与見込みになっている必要があります。
給与年間収入見込み証明書の様式に決まりはありませんが、入社してから1年間の給与見込み額がわかるような書類である必要があります。
尚、賞与や資格手当は給与に含まれますが、交通費や家賃補助は給与に含まれないので注意が必要です。
採用理由書
以下のような一定の流れに沿って採用した理由を記入してください。
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- 【当社の概要と企業理念】を記入。概要には事業内容を箇条書きで、企業理念にはそのまま企業理念を記入。
- 【当社が目指すべき方向性・ビジョン】を記入。箇条書きでO.K.
- 【○○さんを採用した理由】を記入。記入例は下記記事をご参照ください。
- 【○○さんに期待する事】を記入。記入例は下記記事をご参照ください。
【○○さんを採用した理由】の記入例
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○○さんは中国の大学で新聞学を学び、広報や宣伝の基本的な理論と知識を身に着け、ドキュメンタリー動画の編集やラジオや学習センターの広告作成など実践的な活動を行ってきました。
また、○○大学に留学してからは、○○科で日本人の考え方や受容について研究を行っていたので、日本語のみならず日本文化や日本人の考え方にも精通しています。
これらは日本と中国でビジネスを行っていくにあたり非常に重要なスキルと考えています。また、○○さんは専門ではありませんが、プログラミングやPCスキルもあり、これからのIT化にも十分対応できる人材です。
弊社グループでは、永年中国、韓国を中心に海外との取引があり、年々増加している中国の○○は非常に魅力的です。中国には様々なビジネス的期待値が高く、今後中国に現地法人を設立し業容の拡大を図っていく計画があります。
この計画を実行していくにあたり、日本と中国どちらの文化も理解し、ビジネスの場における繊細な言葉の選択や、独特な言い回しができ、広報宣伝などの戦略にも詳しい○○さんは当社として欠くことのできない人材と考え採用したものです。
【○○さんに期待する事】の記入例
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○○さんには将来的に現地法人を設立した際のマネージャー候補としての活躍を想定しており、単なる通訳や翻訳業務ではなく、弊社グループの様々な業務に精通していただきたいと考えています。
当初予定しております積算、見積り業務も重要な業務のひとつであり、数年は様々な業務に従事していただき、当社の中核人材として育成していく予定です。
将来的には弊社グループの中核として活躍していただきたいと考えています。
審査結果ってどれぐらいでわかるの?
申請から約2週間です。
審査状況については申請書を提出した法務局に問い合わせれば教えてくれます。
高度専門職が認められる可能性ってどれぐらいなの?
確かな情報源がないのでハッキリしたことは言えませんが、条件さえ満たせば100%認められるのではないでしょうか。
私が勤めている会社で契約している行政書士に高度専門職が認められる可能性について尋ねたところ、私の会社状況ではまず審査に通らないだろうと言われましたが、実際はそんなことはなく普通に高度専門職で在留資格が認められました。
行政書士と言えばこのような手続きの専門家だと思うのですが、その行政書士が所属する行政書士会の見解ですらそれぐらいの認識なので、自信をもって申請しましょう。
在留資格が高度専門職になったらどんなメリットがあるの?
企業側が今後外国人を雇用しようとしたときに、高度専門職で在留資格を取得できたという実績をアピールすることができます。
これはかなりの高評価に期待できるので、より外国人を雇用しやすくなるでしょう。
外国人側としては永住権の取得審査が緩和されるので、長期的に日本で働く・住む予定の場合は非常に有効な在留資格となります。
はい、ということで、高度専門職の在留資格を取得するときに企業側がすることは、所定の書類を準備して採用した外国人に渡すことです。
企業側が準備する必要がある書類は以下の通りです。
- 高度専門職の在留資格を取得するときに企業側が準備する必要がある書類
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- 【印刷】決算報告書
- 【取得】履歴事項全部証明書
- 【記入】在留資格変更申請書
- 【作成】雇用契約書
- 【作成】給与年間収入見込み証明書
- 【作成】採用理由書
文章を書くのが苦手な場合は採用理由書の作成に時間がかかるかもしれません。
書類作成が難しい場合や面倒な場合は行政書士に依頼することもご検討ください。
以上「高度専門職の申請手続きをするときに採用担当者が苦労したこと」でした。