「会社に土地保有・動態調査の調査票が届いたけど、回答しなきゃいけないの?」
土地保有・動態調査の区分は一般統計なので回答義務(報告義務)はありません。
個人法人関わらず無視してもO.Kです。
何も問題ありません。
問題があるのは基幹統計に区分されている統計調査です。
こちらについては無視をすると50万円以下の罰金となります。
土地関係の統計調査で基幹統計に区分されているのは「法人土地・建物基本調査」だけです。
他は一般統計なので罰則規定はありません。
名称 | 区分 | 回答義務 |
---|---|---|
法人土地・建物基本調査 | 基幹統計 | あり |
土地動態調査 | 一般統計 | なし |
企業の土地取得状況等に関する調査 | 一般統計 | なし |
土地保有移動調査 | 一般統計 | なし |
土地保有・動態調査 | 一般統計 | なし |
繰り返しになりますが、基幹統計は報告義務あり、一般統計は報告義務なし、です。
基幹統計については統計法に以下のような記載があります。
- 第二章 公的統計の作成
(報告義務)
第十三条 行政機関の長は、第九条第一項の承認に基づいて基幹統計調査を行う場合には、基幹統計の作成のために必要な事項について、個人又は法人その他の団体に対し報告を求めることができる。
2 前項の規定により報告を求められた個人又は法人その他の団体は、これを拒み、又は虚偽の報告をしてはならない。
3 第一項の規定により報告を求められた個人が、未成年者(営業に関し成年者と同一の行為能力を有する者を除く。)又は成年被後見人である場合においては、その法定代理人が本人に代わって報告する義務を負う。- 第七章 罰則
第六十一条 次の各号のいずれかに該当する者は、五十万円以下の罰金に処する。
一 第十三条の規定に違反して、基幹統計調査の報告を拒み、又は虚偽の報告をした個人又は法人その他の団体(法人その他の団体にあっては、その役職員又は構成員として当該行為をした者)
二 第十五条第一項の規定による資料の提出をせず、若しくは虚偽の資料を提出し、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、若しくは同項の規定による質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をした者
三 第三十六条第一項の規定により匿名データの提供を受けた者又は当該匿名データの取扱いに関する業務の委託を受けた者その他の当該委託に係る業務に従事する者若しくは従事していた者で、当該匿名データを自己又は第三者の不正な利益を図る目的で提供し、又は盗用した者
一般統計の報告義務については統計法に記載がないので、それはつまり裏を返せば報告義務はないという事になります。
さて、しつこいぐらいに土地保有・動態調査については報告義務はないという事を述べてきましたが、個人的には報告してあげてほしいです。
報告したからと言って何かもらえるわけでも何かを配慮されるわけでもありませんが、政府に価値のあるデータを提供してやることで巡り巡ってこちらにも何らかの形でメリットがあるかもしれないからです。
もちろん「報告してやるわ」スタンスで全く差し支えありません。
実際、こっちの好意でしてやるのですから、何もよこさないのなら感謝ぐらいしろという話です。
話が脱線しましたが、土地保有・動態調査の報告をする場合についてもう少し掘り下げた解説をしていきます。
土地保有・動態調査の調査内容
この記事を執筆している2021年度における土地保有・動態調査の調査内容は以下の通りです。
- 個人の場合
-
- 年齢
- 職業
- 収入
- 購入した目的
- 土地を購入した際の住宅
- 売却した目的
- 売却した土地の取得原因
- 売却した土地の取得時期
- 法人の場合
-
- 法人の名称及び法人番号
- 法人の本所・本社・本店の所在地
- 組織形態
- 資本金、出資金または基金の額
- 業種
- 常用雇用者数
- 支所・支社・支店の数
- 土地の所有の有無
- 売買以外による土地の移動の有無
- 資産区分
- 土地の状況
- 目的
- 1年間に購入・売却した土地の面積、帳簿価格及び売買区画数
個人と法人で質問されている内容が異なります。
法人のほうが質問内容が少し多いです。
それにしてもここまで情報提供をさせたいのであれば見返りを提示するのが普通だと思うのですが、その普通の事を質問者はわかっていないのでしょうか。
こんなものに素直に回答すると思っていることに腹が立ちますし、それを当然のように押し付けている感じが凄く残念で情けない気持ちになります。
回答方法
土地保有・動態調査の回答をするにはインターネットか郵送があります。
マウス操作やキーボード入力に問題がない方はインターネット回答のほうが手早くできます。
インターネット
土地保有・動態調査の調査票が入っている封筒の表紙にインターネット回答の手順が記されています。
手順に従って回答してください。
- 土地保有・動態調査のインターネット回答手順の詳細
-
- 政府統計オンライン調査総合窓口にアクセス
- 送付されてきた調査票のアカウントを使ってログイン
- ログインパスワードの強制変更を求められる
- メールアドレスの登録は任意
- 質問に対して回答
真面目に回答すると結構時間がかかります。
もし、間違った情報になった場合でも一般統計には罰則規定はありませんので気にしなくても大丈夫です。
郵送
国土交通省から送付された土地保有・動態調査の調査票に必要事項を記入して、返信用封筒で返信してください。
ボールペンでも鉛筆でも差し支えございませんが、フリクションペンは避けたほうが無難です。
真実と異なる回答をしたところで罰則規定もないような統計なのでハッキリ言ってどうでもいいのですが、どうせ回答するなら変なケチをつけられるのは腹が立つのできちんと回答してあげましょう。
土地保有・動態調査に回答しなくても罰則はないのに応える人なんているの?
います。
これは国民性かもしれませんが、お願いをされると断れない日本人は一定数います。
過去データになりますが、2018年の回答率は約80%もあったそうです。
⇒土地基本調査、回収率約8割に/国交省
私はかなりの面倒臭がり屋なのでこの結果に驚いていますが、良くも悪くも日本人は真面目なんでしょう。
真面目さを非難するわけではありませんが、その真面目さを利用した政府のやり方は気に食わないものがあります。
はい、ということで、会社に土地保有・動態調査の調査票が届いたとしても、回答義務(報告義務)はないので無視しても大丈夫です。
国土交通省から連絡があるわけではありませんし、もし催促されても応える必要はありません。
応えなかったからと言って罰則もありません。
応えてあげても良いよと言う人だけ応えてあげてください。
以上「土地保有・動態調査の回答は任意だから無視してもO.Kです」でした。