「建設キャリアアップシステムに登録申請するにはどうしたら良いの?」
「どれぐらい時間がかかった?」
「私でもできる?」
「お金がかかるの?」
建設キャリアアップシステムに登録申請するには、建設キャリアアップシステムの公式ホームページから順を追って申請作業を進めていけば良いです。
但し、非常に時間がかかって面倒くさいので、これから申請される方は相当の手間暇がかかることを覚悟しておいてください。
ちなみに私の場合、何の準備もなくインターネットで登録申請をしたところ、アカウント作成から申請を受け付けてもらえるまで、2時間くらいかかりました。
この記事を書きながら申請作業を進めていたので通常の倍くらいの時間がかかっているかもしれませんが、それにしても結構な時間がかかりました。
PC操作が苦手といった理由でインターネット申請を希望されないかたは、郵送や窓口での申請も可能です。
郵送による申請が2020年9月30日をもって廃止されます。その後の申請はインターネットか認定登録機関での受付となります。
それでは、建設キャリアアップシステムのインターネット登録申請について、まずは費用面から解説していきます。
目次
建設キャリアアップシステムにかかる費用
建設キャリアアップシステムにかかる費用項目は以下の通りです。
この内、現場利用料は元請事業者が負担する事になっているので、下請け事業者のかたは特に気にする必要はありません。
- 建設キャリアアップシステムにかかる費用
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- 事業者登録料(5年ごとにかかる)
- 管理者ID利用料(1年ごとにかかる)
- 技能者登録料(10年ごとにかかる)
- 現場利用料(元請事業者が負担)
事業者登録料
事業者登録料は資本金に応じて料金が変わります。
2020年6月11日時点での事業者登録料は以下の通りです。
2020年10月1日から新料金に変わります。それまでの料金を()内に表示しています。
資本金 | 事業者登録料(5年ごと)税込 |
---|---|
500万円未満 | 6,000円(3,000円) |
500万円以上1,000万円未満 | 12,000円(6,000円) |
1,000万円以上2,000万円未満 | 24,000円(12,000円) |
2,000万円以上5,000万円未満 | 48,000円(24,000円) |
5,000万円以上1億円未満 | 60,000円(30,000円) |
1億円以上3億円未満 | 120,000円(60,000円) |
3億円以上10億円未満 | 240,000円(120,000円) |
10億円以上50億円未満 | 480,000円(240,000円) |
50億円以上100億円未満 | 600,000円(300,000円) |
100億円以上500億円未満 | 1,200,000円(600,000円) |
500億円以上 | 2,400,000円(1,200,000円) |
個人事業主の場合は6,000円(3,000円)。 一人親方の場合は無料。但し技能者として登録する必要あり。 |
管理者ID利用料
管理者IDとは建設キャリアアップシステムにログインして自社情報の閲覧や更新を出来る識別番号の事です。
管理者が多い場合は複数のIDが必要になることもありますが、大抵の場合は1つのIDで事足ります。
2020年6月11日時点での管理者ID利用料は以下の通りです。
管理者ID利用料は資本金に左右されることはなく、どの事業者も一律です。
2020年10月1日から新料金に変わります。それまでの料金を()内に表示しています。
管理者ID利用料(1年ごと)税込 |
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11,400円(2,400円)/1IDあたり |
※一人親方の場合は2,400円/1IDあたり |
技能者登録料
2020年6月11日時点での技能者登録料は以下の通りです。
インターネット申請と郵送・窓口申請で料金が異なります。
インターネット申請のほうが1,000円お得です。
郵送による申請が2020年9月30日をもって廃止されます。その後の申請はインターネットか認定登録機関での受付となります。
技能者登録をする事で建設キャリアアップカードというICカードが発行されます。
申請方法 | 技能者登録料(10年ごと)税込 |
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インターネット申請 | 2,500円/1IDあたり |
郵送・窓口申請(郵送申請は2020年9月30日で廃止) | 3,500円/1IDあたり |
カードを紛失・破損した場合の再発行には約1,000円かかるようです。 |
現場利用料
現場利用料とは実際のところ、技能者の就業履歴をデータベースに蓄積しておくためのサーバー代の事です。
1登録につき1回しか支払わなくてよいので良心的な価格設定になっていると思います。
現場利用料は元請事業者が負担するので、下請事業者に請求が来ることはありません。
2020年6月11日時点での現場利用料は以下の通りです。
2020年10月1日から新料金に変わります。それまでの料金を()内に表示しています。
現場利用料(10年ごと)税込 |
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10円(3円)/就業履歴1件あたり |
事前準備
建設キャリアアップシステムのインターネット登録申請をするにあたり、以下の事前準備をしておきましょう。
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- インターネット申請ガイダンスのダウンロード
- 事業者確認書類の準備
インターネット申請ガイダンスは公式ホームページからダウンロードすることが出来ます。
今回は事業者登録をするので、「インターネット申請 事業者情報登録」のガイダンスを全てプリントアウトしました。
ガイダンスが無くても申請作業を進めることはできますが、登録申請のシステム自体がガイダンスありきで作られているので、無いとどのようにして進めていけば良いのか分からなくなって困るケースが増えると思います。
事業者確認書類の準備ですが、その事業者の形態によって準備が必要な確認書類が異なります。
建設業の許可の有無や事業形態が個人事業主か法人なのかで必要書類が変わるので注意してください。
詳しくはガイダンスをご確認ください。
私が勤めている会社(以下弊社)の場合は、以下の確認書類が必要になりました。
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- 建設業許可証明書
- 保険料納入告知額・領収済額通知書
- 雇用保険 適用事業所設置届 事業主事業所各種変更届 事業主控
- 中小企業退職金共済制度 加入証明書
インターネット申請の場合はデータ送信をするので、事業者確認書類をデータにしておく必要があります。
建設キャリアアップシステムでアップロードできるファイル形式はjpegかjpgのみとなっているのでご注意ください。
pdfからjpegに変換したい場合は、iLovePDFというサイト(外部サイト)が便利です。
事業者登録の申し込みをする
まずは建設キャリアアップシステムのトップページを開いてください。
次に「事業者」というリンクから「申込み」に進んでください。
すると「事業者新規利用申込み」の入力フォームが表示されるので、必要な情報を入力して利用申し込みをしてください。
入力したメールアドレス宛に、建設キャリアアップシステムから「事業者新規登録申請用ログインID・パスワードのお知らせ」メールが届きます。
事業者登録の申請をする
事業者新規登録申請用ログインID・パスワードのお知らせメールの指示に従って建設キャリアアップシステムにログインをすると、唐突にパスワードの変更画面に移りますがこういう仕様なので気にしないでください。
パスワード変更後は強制的にログアウトとなり、再びIDとパスワードの入力を求められます。
イライラしそうになりますが、気を取り直してIDと新しいパスワードでログインすると、殺風景な画面が表示されます。
多分ここがマイページのようなところなのでしょう。
マイページのような画面の左側に200_新規登録というメニューがあるので、そこの10_登録申請から入って次の手続きを進めていきます。
個人情報の取り扱いとシステム利用の規約に同意したら、申請内容を入力するフォームが表示されます。
弊社は建設業の許可があるので、建設業許可情報を入力しました。
建設業許可番号年というのが少し分かりにくかったですが、建設業許可証明書の「○○知事許可(般-□)第△△△号」の□の数字を入力すれば良いだけです。
弊社の場合は建設業許可の有効期間中に社名変更があったので、建設業許可番号年が旧と新で異なりましたが、旧の番号年で検索すると確認が取れました。
建設業許可の確認が取れれば入力フォームに一定の情報が自動的に入るので、少しだけ入力の手間が省けます。
申請内容登録を進めていくと、健康保険情報の入力フォームが表示されます。
事業所整理記号と事業所番号は、保険料納入告知額・領収済額通知書に記載されています。
全部の必須入力が終わって申請内容の送信をすると申請番号が発行されるので、念のためにメモるかスマホのカメラで撮影するなどして控えておきましょう。
補足事項といたしまして、事業者登録料などの請求書は登録責任者の住所宛に送られてくる仕様になっています。
私は登録責任者の住所を自宅にしていたので(普通はそうすると思うのですが)、各種請求書が全て自宅に届いて大変でした。
皆さんはご注意ください。
申請情報の審査
申請内容の送信をすると、「事業者情報新規登録受付のお知らせ」というタイトルのメールが届きます。
申請日が2020/6/11で、第1回目の審査が完了したのが2020/6/23です。
第1回目の審査では「事業者情報申請内容不備のお知らせ」が届きました。
指示通り完璧に申請をしたつもりでしたが、1回目の審査では不備があったようです。
不備内容を確認すると私には何の落ち度もなく、ただ単に建設キャリアアップシステムのガイダンスの指示が間違えていただけです。
2020/6/24時点ではガイダンスの内容は修正されています。
間違った指示内容につきましては、この記事を読まれたかたの混乱を避けるために、あえてここでは説明しません。
不備と指摘された箇所を修正して再申請を2020/6/24にしました。
それから約3週間後の2020/7/13に「システム登録料金額のご案内」というメールが届きました。
このメールをもって、審査合格の通知ということなのでしょう。
それにしても、始めの申請から審査合格通知まで約1か月もかかってしまうとは思いませんでした。
建設分野で技能実習生の受け入れを検討されているかたや、既に受け入れていて次の受け入れも検討されているかたは、早めに手続きを進めておいた方が良いでしょう。
コロナウィルスの影響で審査期間が大幅に遅延することもあるそうなので、少しぐらい審査が長引いても構わないぐらいのゆとりを持っておきましょう。
新規事業者登録料の支払い
事業者登録の申請審査が合格した後、建設キャリアアップシステムにログインしてから「200_新規登録」⇒「20_支払い」に進んで手続きをします。
支払方法はクレジットカード払いかコンビニ払いのいずれかを選択できます。
個人的にはクレジットカード払いでさっさと支払いたかったのですが、コンビニ払いにした時に払込票が届くまでの期間を知りたかったので、ここはあえてコンビニ払いを選択しました。
支払い手続きを完了したのが2020/7/14で、コンビニの払込票が届いたのが2020/7/20です。
払込票が届くまでは1週間くらいかかると思っておきましょう。
払込票で支払いをしたのが2020/7/21で、事業者情報新規登録完了メールが届いたのが2020/7/29/です。
ここでも1週間くらいかかっています。
結局、始めの申請から事業者情報新規登録完了までに48日かかりました。
もの凄く時間がかかっていますが、テレワーク黎明期という事もあるので仕方がありませんね。
管理者ID利用料の支払い
管理者ID利用料の請求書が届いたのが2020/8/7です。
事業者登録料を支払う時はクレジットカードとコンビニ払いのどちらかを選択できたのですが、管理者ID利用料の支払いは銀行振込しかできないようで、銀行振込の払込票が付いていました。
支払い手続きをしたのが2020/8/11です。
建設キャリアアップシステムから払込のありがとうメールが届くのかと思っていましたが、そんなものは届きませんでした(笑)。
技能実習生の登録
管理者ID利用料を支払う前であっても、事業者情報新規登録完了メールが届いた後であれば建設キャリアアップシステムに技能実習生を登録できるようになります。
技能実習生の本人たちが登録申請をする事はできますが、さすがに厳しそうなので今回は私が代行で申請をすることにしました。
技能実習生の登録代行申請をするには建設キャリアアップシステムに事業者としてログイン後、「710_代行申請」⇒「10_同意書様式取得」から進みます。
何をどうしたら良いかという詳しい説明があるわけではないので、何となくの手探り状態で進んでいます。
これは、すごく、ストレスが溜まりますね・・・。
さて、今回は技能実習生の登録と合わせて日本人作業者の登録も行いました。
全員分を私が代行で申請しました。
技能者の登録申請につきましては長くなるので別記事で解説いたします。
代行で申請してくれるところはないの?
あります。
但し、当然の事ではありますが大抵の場合は有料になるでしょう。
建設キャリアアップシステムに事業者登録される方の多くは建設分野における技能実習生の受け入れを目的とされているでしょうから、まずは技能実習生の監理組合に相談してください。
もしかしたら無料で代行申請してくれるかもしれません。
監理組合での対応が難しいようでしたら、行政書士や社会保険労務士に相談してみましょう。
審査に合格しなかった場合はどうしたら良いの?
合格できなかった要因を調べて、改善できることであればしっかり改善をしてから再申請をしてみましょう。
リカバリーできないほどの要因なら、建設分野における技能実習生の受け入れを諦めるしかないでしょう。
廃業して新たに組織を作り直すという選択肢もありますが、設立から間もない企業がすぐに審査に合格出来るかどうかは分かりません。
建設キャリアアップシステムに登録申請するのは非常に時間もかかる上に本当に面倒くさいですが、建設分野で技能実習生を受け入れたいのであれば避けては通れません。
代行申請は可能なので、こういった手続きが苦手なかたは代行してくれる人にお願いした方が精神衛生上良いでしょう。
弊社の場合は事業者登録申請をしてから審査に合格するまで48日もかかりました。
ただ、自分で登録申請をしたので、かかった費用はシステム登録料+管理者ID1人分の利用料+技能者の登録費用5人分を全部合わせても50,000円いかないくらいで済みました。
会社規模が大きかったり登録する技能者の数が多い場合はもっとかかります。
以上、「事業者として建設キャリアアップシステムに登録申請をしてわかった事」でした。