「データ化した会社の印鑑を使っても問題ないの?」
問題になるかどうかは受け取り側の考え方によるそうです。
例えば契約書のような書類の場合、もし受け取り側から押印の内容が気に入らないということで拒否されれば、契約は不成立となるでしょう。
契約書のようなものではなく単なる提出書類だとしても、受け取り側から「データの印影はダメだ。実際の用紙に朱肉で押印されたものでないと受け取らない。」と言われれば、要望に添ったものでなければ受け取っていただけないでしょう。
私見ですが、契約書のようなお堅めの書類にはインク、あるいは朱肉で押印しておけば特に問題になることはないでしょう。
見積書・請求書のような軽めの書類であれば、データ化された印影であったとしても受け取りを拒否されるようなことは少ないと思います。
目次
元々実際の印鑑があって印影をデータ化したものと元からデータで作られた印影の比較
元々実際の印鑑があるのなら、画像編集ソフトを使って陰影をデータ化することをオススメします。
その方が認知度が高いですし、実際の印鑑と印影が同じなのでインクや朱肉で押印したものと比べても違和感がないので使いやすいです。
比較項目 | 元々実際の印鑑があって印影をデータ化したもの | 元からデータで作られた印影 |
---|---|---|
作りやすさ | △ | ◯ |
認知度 | ◯ | △ |
使いやすさ | ◎ | ◯ |
セキュリティ | △ | △ |
セキュリティ面に関してはどちらにしても画像データのままでは無防備なので、電子署名付きの電子印鑑にして活用するようにしましょう。
インクと画像データの比較
インクと一口に言っても色々と種類がありますが、ここではインク=スタンプ台として、画像データと比較します。
比較項目 | インク (スタンプ台) |
画像データ |
---|---|---|
コスパ | ◯ | ◎ |
乾きやすさ | ◯ | ◎ |
保存性 (紙媒体として) |
△ | △ |
インクと画像データを比較した場合、画像データの方が圧倒的に使い勝手が良いです。
もし仕事の出先で急に印鑑が必要になった場合でも、多少の事なら画像データの印影でしのぐことが出来ます。
ちなみに、紙媒体としての保存性が最も高いのは練朱肉や印泥です。
これらは紫外線などによる劣化に強いので、重要書類の押印に用いられます。
元からデータで作られた印影だけで印鑑登録することはできるの?
これは無理だそうです。
2020年4月28日時点で法務局に確認しましたが、ハッキリ不可と言われました。
会社の印鑑をデータ化して使っても問題ないことの証明はどうしたら良いの?
通称:e-文書法と言われる「民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律」の内容を提示してください。
e-文書法では色々と述べられていますが、要するに、「民間事業者が行う文書の保存、作成、閲覧等について、原則として電磁的記録によることを可能とする。」という事です。
この電磁的記録には押印も含まれているので、会社の印鑑をデータ化して使っても問題ないことの証明になります。
但し、場合によってはNGになることもあるようなので、正しい情報が必要になるのであれば法令に詳しいかたにお問い合わせください。
会社の印鑑をデータ化して使った場合、問題になるかどうかは受け取り側の考え方によります。
不要なトラブルを避けるためにも、簡単に書き換えが可能な提出書類の場合はデータ化した印影を、簡単に書き換えられないような書類の場合は実際の印鑑を押印することが望ましいです。
以上、「会社の印鑑をデータ化して使っても問題ないのか法務局に聞いてみた」、でした。