技能実習生が1年目に受けたタイル張り技能検定基礎級のテスト内容

「タイル張り技能検定基礎級のテストってどんな内容なの?」

タイル張り技能検定基礎級では簡単な学科と実技の試験があります。

学科試験はすべて日本語で出題されます。
日本語と言ってもひらがなとローマ字でフォローされているので、真面目に日本語を勉強してきた技能実習生であれば十分に理解できるはずです。
それに出題される問題が分かっているので、予習さえきちんとできていれば普通に満点を取れるレベルの試験です。

実技試験の難易度も非常に低いです。
採点も非常に甘いです。
これはタイル張りに限った事ではなく、どんな職種であったとしても基礎級に合格しなければ2年目の技能実習を迎えられないので、よっぽど酷い仕上がりでない限り合格判定をいただけるはずです。

それではタイル張り技能検定基礎級の試験内容について詳しく解説していきます。

学科試験

学科試験は全20問、正しいか誤りかの2択、解答時間は1時間です。
6割以上の正答率で合格なので、最低でも12問は正解しなければなりません。

例年、全く同じ問題が出題されていますが、もしかしたら違う問題が出る年もあるかもしれません。
念のため、技能検定試験問題公開サイトで学科試験問題の確認をしてください。

⇒2020年9月14日時点の学科試験問題
⇒2020年9月14日時点の学科試験問題の解答

日本人が基礎級の学科試験を受けるのであれば説明するのがバカバカしいくらいの問題内容ですが、技能実習生からすると日本語の文法や意味的な部分で難解かもしれません。
ですから、私は出題される学科問題に画像を足して予習用に編集しました。
よろしければご利用ください。

タイル張り基礎級学科問題【予習用】
問題 正解
正しい 誤り
1.これは めじつめに つかう こてです。
2.タイルを はる こてには ゴムごてが あります。
3.これは さげふりです。
4.レベルは かくどを しらべるときに つかいます。
5.ろくずみとは すいへいずみの ことです。
6.すみだし いとだしは モルタルを ねりまぜてから します。
7.タイルを はる まえには したじの そうじを します。
8.がいそうタイルみっちゃくばりの モルタルの ぬりあつは 2mm~3mmです。
9.せっちゃくざいで タイルを はるときは くしめごては つかいません。
10.つみあげばりで タイルを はるときは こんわざいは いれません。
11.がいそうタイルばりの モルタルしたじは きごてしあげより かなごてしあげのほうが よいです。
12.タイルを はるときは モルタルの オープンタイム(はりつけかのうじかん)を まもります。
13.ひらたいるは やくものタイルより さきに はります。
14.ごうはんしたじに せっちゃくざいを ぬるときは みずしめしを します。
15.めんとりタイルは がいそうタイルです。
16.これは ないそう100かくタイルです。
17.タイルばりに つかう きせいちょうごうモルタルには はりつけようと めじようが あります。
18.がいそうタイルばりでは ほごぼうを かぶります。
19.この ひょうしきが あるところには はいっては いけません。
20.この ひょうしきが あるところでは たばこを すっては いけません。

実技試験

実技試験は壁面への陶器質タイル張りです。
張る面積は0.36㎡で試験の時間は1時間です。

厄介なのは斜めカットの部分だけです。
逆にそこさえしっかり練習していれば問題なくクリアできます。

⇒2020年9月14日時点の実技試験問題

私が技能実習生たちに教えた練習方法は以下の通りです。
ご参考程度にお読みいただければと思います。

私が実際に技能実習生に指導した練習方法
  1. 材料に不備はないか確認をする。
  2. 道具に不備はないか確認をする。
  3. ここからスタート
  4. 試験用下地の壁面に墨出しをする。
  5. 壁面に張り付けるタイルを全てカットする。
  6. 壁面にタイルを張り付ける。
  7. 見栄えが良いように課題を綺麗にする。
  8. ここで終了
  9. 後片付け

「1」「2」「3」については説明を飛ばしますが、とにかく不備があると試験を受けることができなくなるのでご注意ください。
「4」については以下のような墨出しをするとタイルを張りやすいのでオススメです。

はじめに①のような垂直の墨を、壁の中心に合わせて下げ振りを使って出します。
次にさしがねを使って壁の中央に②を出します。
あとは①②を基準にしてそれぞれの墨出しをしましょう。

「5」については完全に対角にカットしてしまうと張り付けた後で調整できなくなるので、0.5mm小さめになるようにカットした断面を金剛砥石で削りましょう。

「6」に取り掛かる前に壁面の墨の上にマスキングテープを張っておきましょう。
そうすることで、接着剤を塗った後でもマスキングテープを剥がせばタイル張りの基準となる墨がくっきりと現れます。

「6」で塗布する接着剤は中塗りごて一度こすり塗をしてから2度目で満遍なく塗り付けて、最後に3mmのくしごてで均一にくし目を付けましょう。
採点の時に接着剤の充填率を確認されるので、塗り残しや塗布不足が無いように注意してください。

接着剤のタイプⅡは硬化が早いので、タイルを張り付けて30分もすれば全く動かなくなります。
壁タイルの寸法的な調整はササっと済ませておきましょう。

最後に目地からはみ出た接着剤を慎重に取り除き、スポンジで軽くふき取って見栄えを良くしましょう。
片付け作業は試験時間には含まれないので、仕上がりを優先してください。

実技試験で気を付けておくべきポイント

実技試験では以下の事に気を付けてください。

  • 私語をしない。
  • 課題の寸法通りにタイルを張る。

技能実習生の性格や生まれ育った環境が影響しているのかもしれませんが、私の勤めている会社の技能実習生は課題の寸法通りにタイルを張るというのをかなり甘く考えていました。

1mmのズレも許されないという事を伝えて根気よく指導することで改善しましたが、ほったらかしで練習させていたらとんでもないことになっていたでしょう。
練習の際は指導員が側にいて、張り終わった後は採点をして反省会を開くと技術力の向上につながりやすいです。

試験結果っていつ頃わかるの?

弊社の場合は一度に3人受けたのですが、試験が終わった後に採点員のかたから「3人とも上手ですね」と褒めて頂いたので、多分合格なんだろうなというのはその日のうちに分かりました。
確実な合格通知が来たのは試験日から1週間後でした。

合格証書は試験日から約2週間後に届きました。

基礎級の技能検定に合格しなかった時はどうしたら良いの?

残念ながら不合格者の技能実習期間が1年で終了する事が確定します。
2年目を迎えることはできません。
なぜなら基礎級に再試験制度がないからです。

必ず1発合格できるように練習を重ねておきましょう。
ただ、技能実習生の中には母国に帰りたくてわざと不合格になるように行動するかたもいるそうです。

基礎級で不合格者を出してしまうと優良認定事業者の点数に大きく影響するので、検定に申し込む前にあらかじめヒアリングを行っておきましょう。
この時、監理団体に協力を仰いでおけば不要なトラブルを避けることができます。


はい、という事でタイル張り技能検定基礎級のテストでは学科と実技があります。
どちらも、対策さえしておけばあっさり合格できるほどの簡単な内容です。

以上、「技能実習生が1年目に受けたタイル張り技能検定基礎級のテスト内容」でした。