2022年度の1級建築施工管理技士第二次検定に合格した解答内容

「1級建築施工管理技士の二次検定に合格したときの解答を教えて」

私PikoPikoは2022年度の1級建築施工管理技士第二次検定に合格できましたので、その時の解答内容を公開いたします。

工事名と工事場所は伏せています。

4年度 1級建築施工管理技術検定 第二次検定問題 問題内容と私の解答内容

問題1

建設業を取り巻く環境の変化は著しく、労働生産性の向上や担い手の確保に対する取組は、建設現場において日々直面する課題となり、重要度が一層増している。

あなたが経験した建築工事のうち、要求された品質を確保したうえで行った施工の合理化の中から、労働生産性の向上に繋がる現場作業の軽減を図った工事を1つ選び、工事概要を具体的に記入したうえで、次の1.及び2.の問いに答えなさい。

なお、建築工事とは、建築基準法に定める建築物に係る工事とし、建築設備工事を除くものとする。

問題1の私の解答内容

イ.工事名
●●マンション新築工事
ロ.工事場所
●●県●●市●●町1丁目2-3
ハ.工事の内容
共同住宅、鉄筋コンクリート造、12階建、延べ面積3135㎡、外壁45二丁掛タイル張り、内装床フローリング、内装壁クロス張り、内装天井クロス張り
ニ.工期等
2020年10月~2022年1月
ホ.あなたの立場
工事主任
ヘ.あなたの業務内容
建築工事に係る施工管理

工事概要の内容は特に問題なく書けたと思っています。取り上げた工事案件は、請負代金の金額が下請けの場合4000万円以上、建築一式工事なら6000万円以上であることを意識しました。

問題1-1

工事概要であげた工事において、あなたが実施した現場作業の軽減の事例を3つあげ、次の①から③について具体的に記述しなさい。

ただし、3つの事例の②及び③はそれぞれ異なる内容を記述するものとする。

問題1-1の私の解答内容

①.工種名等
左官工事
②.現場作業の軽減のために実施した内容と軽減が必要となった具体的な理由
左官職人が不足しており、高度な技能を備えた熟練工を確保できなかったため、床コンクリート直均し仕上げから床セルフレベリング仕上げに変更した。
③.②を実施した際に低下が懸念された品質と品質を確保するための施工上の留意事項
床仕上げの精度を保つために、流し込んだセルフレベリング材の各方向3mにつき高低差7mm以下である事をオートレベルで確認した。
①.工種名等
石工事
②.現場作業の軽減のために実施した内容と軽減が必要となった具体的な理由
雨天が多く、十分な工程を確保できなかったため、当初予定していた湿式石張り工法から乾式石張り工法に変更した。
③.②を実施した際に低下が懸念された品質と品質を確保するための施工上の留意事項
養生期間が短い乾式石張り工法においてもファスナーの精度を保つため、ボルトの締め付けに留意した。
①.工種名等
タイル工事
②.現場作業の軽減のために実施した内容と軽減が必要となった具体的な理由
タイル端材の処理費用を削減するため、外壁タイルの割り付けをタイル規格寸法で納まるように調整した。
③.②を実施した際に低下が懸念された品質と品質を確保するための施工上の留意事項
タイル端材を出さないことを優先するあまり、外壁タイルがひび割れ誘発目地をまたがないように割り付けに留意した。

左官工事と石工事に関しては、「注文者の了承を得た」などの記述があればもっと良かったかなとは思いますが、記入できる文字数を考慮すればそこそこの内容を書けたと思います。タイル工事に関しては問題に対する解答になっていないのでダメダメですね。これは例年、工程管理の問題に関しては出題数が2問だったため、3つ目の解答を用意しておらず、最後のほうで慌てて書いたからです。単純に準備不足でした。

問題1-2

工事概要であげた工事にかかわらず、あなたの今日までの建築工事の経験を踏まえて、建設現場での労働者の確保に関して、次の①及び②について具体的に記述しなさい。

ただし、労働者の給与や賃金に関する内容及び1.の②と同じ内容の記述は不可とする。

問題1-2の私の解答内容

①.労働者の確保を困難にしている建設現場が直面している課題や問題点
外部足場上で行う作業は墜落や転落の危険性があり、重大な労働災害につながる可能性が高く、命をおびやかしてまで働きたくないという思考になることが問題。
②.①に効果があると考える建設現場での取組や工夫
外部足場の組み立ての不備による危険性を、安全に十分に配慮した上で作業員に体験させ、墜落防止器具を使用する事で安全に作業ができる事を理解させる。

この問題は過去10年になかったので即答が難しかったです。一番最後に解答しました。微妙な解答内容だと思います。また、墜落防止器具ではなく、正しく墜落制止用器具と書くべきでした。

問題2

建築工事における次の1.から3.の災害について、施工計画に当たり事前に検討した事項として、災害の発生するおそれのある状況又は作業内容と災害を防止するための対策を、それぞれ2つ具体的に記述しなさい。

ただし、解答はそれぞれ異なる内容の記述とする。また、保護帽や要求性能墜落制止用器具の使用、朝礼時の注意喚起、点検や整備などの日常管理、安全衛生管理組織、新規入場者教育、資格や免許に関する記述は除くものとする。

問題2の私の解答内容

1.墜落、転落による災害
折りたたみ式脚立を用いた作業。脚と水平面の角度が75度を超えないようにする。
踏み抜きの恐れがあるスレート屋根上での作業。幅30cm以上の歩み板を設置し、防網を張る。
2.崩壊、倒壊による災害
仮設足場の組み立て作業。仮設足場の壁つなぎの固定ボルトを躯体に緊結する。
軟弱な粘性土地盤の根切作業。鋼矢板の根入れを深くする。
3.移動式クレーンによる災害
勾配が付いた場所に移動式クレーンを設置する状況。自走を防ぐため、移動式クレーンのタイヤに輪止めを確実に取り付ける。
接地地盤の強度が十分ではない状況。接地地盤面に鉄板を敷き、移動式クレーンの両側のアウトリガーを最大幅張り出す。

1.と2.はそれなりに書けたと思います。3.に関しては、私の中で小型移動式クレーン付きトラック(通称ユニック車)の事を想定して書きましたが、一般的にはバックホーのような重機を差すようです。ですから3.の解答はかなり怪しいです。

問題3

市街地での事務所ビル新築工事において、同一フロアをA、Bの2工区に分けて施工を行うとき、右の内装工事工程表(3階)に関し、次の1.から4.の問いに答えなさい。

工程表は計画時点のもので、検査や設備関係の作業については省略している。

各作業日数と作業内容は工程表及び作業内容表に記載のとおりであり、Aで始まる作業名はA工区の作業を、Bで始まる作業名はB工区の作業を、Cで始まる作業名は両工区を同時に行う作業を示すが、作業A1、B1及び作業A6、B6については作業内容を記載していない。

各作業班は、それぞれ当該作業のみを行い、各作業内容共、A工区の作業が完了してからB工区の作業を行う。また、A工区における作業A2と作業C2以外は、工区内で複数の作業を同時に行わず、各作業は先行する作業が完了してから開始するものとする。

なお、各作業は一般的な手順に従って施工されるものとする。

問題3の私の解答内容

1.作業A1、B1及び作業A6、B6の作業内容を記述しなさい。
A1、B1:壁軽量鉄骨下地
A6、B6:床フリーアクセスフロア下地
2.始から終までの総所要日数を記入しなさい。
25日
3.作業A4のフリーフロートを記入しなさい。
2日
4.次の記述の□に当てはまる作業名と数値をそれぞれ記入しなさい。(問題省略)
あ:A2
い:27

1.の解答は壁軽量鉄骨下地組みと床フリーアクセスフロア下地組みにしておくべきでした。そして、今回のネットワーク工程表は過去問にも無いような少し複雑な内容になっていたので、私には難しくてよくわかりませんでした。

問題4

次の1.から4.の問いに答えなさい。

ただし、解答はそれぞれ異なる内容の記述とし、材料(仕様、品質、運搬、保管等)、作業環境(騒音、振動、気象条件等)、下地、養生及び作業員の安全に関する記述は除くものとする。

問題4の私の解答内容

1.屋根保護防水断熱工法における保護層の平場部の施工上の留意事項を2つ、具体的に記述しなさい。なお、防水層はアスファルト密着工法とし、保護層の仕上げはコンクリート直均し仕上げとする。
現場打ちコンクリートの場合、コンクリート中層にワイヤーメッシュを挿入する。
コンクリートの伸縮調整目地はパラペットのような立上り部から平場側へ600mmの位置に割り付け、中間部は3mピッチで割りつける。
2.木製床下地にフローリングボード又は複合フローリングを釘留め工法で張るときの施工上の留意事項を2つ、具体的に記述しなさい。
フローリングボードの敷居際は5mm程度の空隙を設ける。
フローリングボードは根太付近の雄ざねの付け根を隠し釘留めとする。
3.外壁コンクリート面を外装合成樹脂エマルション系薄付け仕上げ塗材(外装薄塗材E)仕上げとするときの施工上の留意事項を2つ、具体的に記述しなさい。
下塗りをする場合はダレや塗り残しがないように均一に塗付ける。
増塗りをする場合は出隅や入隅などを刷毛やローラーで段差なく塗付ける。
4.鉄筋コンクリート造の外壁に鋼製建具を取り付けるときの施工上の留意事項を2つ、具体的に記述しなさい。
鋼製建具を溶接により固定する際は、消火設備を備え、監視員を配置する。
鋼製建具はレーザー墨出し器等を用いて、水平、垂直に設置する。

もっと、○○だから○○する、というような「理由」があって「行動する」という記述にすればよかったと思っています。例えば1.は、「現場打ちコンクリートの場合、ひび割れ防止のためにコンクリート中層にワイヤーメッシュを挿入する。」とかにしておくべきでした。

問題5

次の1.から8.の各記述において、□に当てはまる最も適当な語句又は数値の組合わせを、下の枠内から1つ選びなさい。

問題5の私の解答内容

1.(問題省略)
5
2.(問題省略)
3
3.(問題省略)
1
4.(問題省略)
3
5.(問題省略)
5
6.(問題省略)
1
7.(問題省略)
3
8.(問題省略)
4

8問中6問正解でした。落とした2問についても、過去問を十分にしていたおかげでいいところまでは絞り込めていたので、まあ仕方がありません。

問題6

次の1.から3.の各法文において、□に当てはまる正しい語句又は数値を、下の該当する枠内から1つ選びなさい。

問題6の私の解答内容

1.(問題省略)
①:1
②:1
2.(問題省略)
③:3
④:5
3.(問題省略)
⑤:4
⑥:2

6問中4問正解でした。2問落としました。しっかり過去問をしたつもりでしたが、同じような意味の語句に引っ掛かりました。

日建学院さんの二次検定添削サービスを利用

1級建築施工管理技士第二次検定の終了時間まで着席していると、問題用紙を持ち帰ることができます。
そこで私は問題用紙に解答を控えて、試験終了後に持ち帰りました。

そして解答を自分で添削しようと思ってネット検索で解答速報を探していたところ、なんと日建学院さんが添削サービスを無料で実施している事を知りました。

いち早く自分の試験結果を知りたかった私は、試験の翌日に日建学院さんの添削サービスに申し込みました。
申し込みから2週間ぐらいが経過したころ、添削シートが郵送されてきました。

添削の結果は「C」。
A~Dの4段階評価のうち、下から2番目という悲しい評価でした。

日建学院さんから色々とコメントもいただいて、今回はかなりダメっぽいことが分かったので落ち込みましたが、早めに期待薄になったので「来年頑張ろう」という気持ちに切り替えられました。

期待薄の中、なんと合格

2022年度の1級建築施工管理技士第二次検定の合格発表は、2023年1月27日の9:00に一般財団法人建設業振興基金さんのホームページで公開されました。

日建学院さんの二次検定添削サービスでは評価Cだったのでほとんどあきらめていましたが、私の受検番号を探してみると、なんとあるではありませんか!

あーうれしい!本当にうれしい!なんという幸運!

これで次の目標にしていた宅建に取り組むことができそうです。

配点と合格基準はどうなの?

配点については公開されておりません。
識者の大方の予想は施工経験記述の問題1が30~40点、問題2~問題6がそれぞれ15点前後ぐらいです。

合格基準につきましては国土交通省のホームページに「得点が60%以上」というように、明確に記載があります。

ただ、配点が公開されていないので、得点が60%以上で合格と言われても「お、おう」みたいな反応にしかなりませんね。

勉強方法はどんな事をしたの?

スーパーテキストシリーズの分野別問題解説集と日建学院さんの二次対策問題解説集を買って、まずは施工経験記述の解答例を作りました。

実際のところ、スーパーテキストシリーズの「分野別問題解説集1級建築施工管理技術検定試験第二次検定」だけで十分でした。過去問もついているので、プリントアウトして利用しました。

私が作成した施工経験記述の解答例と問題用紙・解答記入用紙は下記の通りです。
改善の余地ありありなので参考までにご利用ください。

次に施工計画の解答例を作りました。
解答のテキストを赤色にしたので、セルを赤色にして思い出し学習に役立てました。

私が二次検定の勉強を始めたのは8月に入ってからでした。
8月は下記のような学習スケジュールにしていました。

書いて覚える
1日目 施工経験記述(工程管理)の問題を読んで解答用紙に記入して自己採点
2日目 施工経験記述(建設副産物)の問題を読んで解答用紙に記入して自己採点
3日目 施工経験記述(品質管理)の問題を読んで解答用紙に記入して自己採点
4日目 過去10年分の施工計画を解答用紙に記入して自己採点
5日目 過去5年分のネットワーク工程表を解答用紙に記入して自己採点
6日目 過去5年分の躯体工事の不適当な語句の修正を解答用紙に記入して自己採点
7日目 過去5年分の仕上げ工事の留意事項の具体的な記述を解答用紙に記入して自己採点
8日目 過去10年分の建築法規を解答用紙に記入して自己採点
2022年度は躯体工事が不適当な語句の修正、仕上げ工事が留意事項の具体的な記述になりそうだったので、このような勉強方法にしました。毎年入れ替わるようなのでご注意ください。

8日目が終わったら1日目に戻るを3回繰り返しました。
はじめのうちは書き込むのにとても時間がかかったので、1日あたり3時間ぐらい勉強をしていました。

答えが分からない問題は適当にあきらめて、解答例を見て施工をイメージしながら記入するようにしていました。

9月に入ってからは下記のように予習と復習を毎日しました。

声に出して時間をかけずに覚える
1日目 過去6年分の施工経験記述の解答を声に出して自己採点。過去10年分の施工計画の解答を声に出して自己採点。
2日目 過去10年分の施工計画の解答を声に出して自己採点。過去5年分のネットワーク工程表を解答用紙に記入して自己採点。
3日目 過去5年分のネットワーク工程表を解答用紙に記入して自己採点。過去5年分の躯体工事の不適当な語句の修正を解答用紙に記入して自己採点。
4日目 過去5年分の躯体工事の不適当な語句の修正を解答用紙に記入して自己採点。過去5年分の仕上げ工事の留意事項の具体的な記述の解答を声に出して自己採点。
5日目 過去5年分の仕上げ工事の留意事項の具体的な記述の解答を声に出して自己採点。過去10年分の建築法規を解答用紙に記入して自己採点。
6日目 過去10年分の建築法規を解答用紙に記入して自己採点。過去6年分の施工経験記述の解答を声に出して自己採点。

6日目が終わったら1日目に戻るを2回繰り返しました。
書き込んでいては時間がかかりすぎるので、記述問題に関しては解答を声に出して勉強を進めました。

試験前の2週間は、今まで覚えたことを忘れないように、下記のように復習をしました。

覚えたことを忘れないように思い出す
1日目 過去6年分の施工経験記述の解答を声に出して自己採点。
2日目 過去10年分の施工計画の解答を声に出して自己採点。
3日目 過去5年分のネットワーク工程表と過去5年分の躯体工事の不適当な語句の修正と過去10年分の建築法規を解答用紙に記入して自己採点。
4日目 過去5年分の仕上げ工事の留意事項の具体的な記述の解答を声に出して自己採点。
5日目 スーパーテキストシリーズの「分野別問題解説集1級建築施工管理技術検定試験第二次検定」の付録になっていた虎の巻を解いて自己採点。

さすがにここまで来たらスラスラと答えられるようになっているので、1日あたりの勉強時間は1時間ぐらいになっていました。

何時間勉強したの?

たぶん合計で150時間ぐらいだと思います。
記述例を考えるのに結構な時間を使いました。

それから、解答用紙に書き込みながら覚えることにかなりの時間がかかりました。
効率的にやればもっと短時間でもいけたと思います。

独学でも合格できるの?

全然合格できます。
実際に私は独学で合格しました。

ですが、記述例に関しては有料講座を利用して添削してもらったほうが確実性が増すのは間違いありません。

私はどの有料講座も受けていないので比較しようがありませんが、日建学院さんの添削には納得できました。

試験に関して注意したこと

解答はすべて鉛筆かシャーペンで記入しなければなりません。
私は普段ボールペンで文字を書いているので、書きやすいシャーペンを購入して文字を書く練習をしました。

また、解答枠から文字がはみ出してしまわないように、大きすぎず小さすぎない文字を書く練習もしました。
記述例の文字数に関しても、長文過ぎず短文過ぎずを心がけて作成しました。

あと、私は試験会場に腕時計を持っていかなかったのですが、試験終了までの時間が全く分からなくて不安になったので、できれば腕時計を持って行ったほうが良いでしょう。


はい、という事で、私が合格した2022年度の1級建築施工管理技士第二次検定の解答内容はいかがでしたでしょうか。

記述問題に関しては添削する人次第で評価が分かれる可能性が高いので、合否判定の目安程度にご利用いただければと存じます。

以上、「2022年度の1級建築施工管理技士第二次検定に合格した解答内容」でした。