建材卸売業の会社が人材開発支援助成金からもらえた助成金額

「人材開発支援助成金の人材育成支援コースっていくらもらえるの?」

石綿作業主任者技能講習1名分に対して15500円いただけました。
講習代として教育機関に支払った費用が14080円だったので、1420円の利益が出たようなものです。

人材開発支援助成金の申請手続きは私が一人で行いました。
手続きにかかった時間は合計で5時間くらいです。

はじめに提出しなければならない書類を作るのに時間がかかりました。
次からは1時間もあれば申請可能です。

特に難しい手続きではなかったので、データ入力ができる方なら問題なく申請することができます。
具体的な申請方法について、以下にご説明いたします。

人材開発支援助成金(人材育成支援コース)申請方法の流れ

申請方法の流れは以下の通りです。

  1. 対象企業であるかどうかを確認する
  2. 教育を受ける労働者が対象となる労働者になるかどうかを確認する
  3. 特別教育や技能講習の受講予定カレンダーとして、年間職業能力開発計画を作成する
  4. 特別教育や技能講習の申込書をプリントアウトする
  5. 年間職業能力開発計画と特別教育や技能講習の申込書を持って、最寄りのハローワークまたは労働局に助成金の対象になるか確認する
  6. 教育訓練機関に訓練実施者の証明をしてもらえるかどうか確認をする
  7. 上記に問題がなければ事業内職業能力開発計画書を作成する
  8. 職業能力開発推進者がいない場合は選任する
  9. 受けたい訓練の1か月以上前に受理されるように計画届に必要な書類の準備をして労働局に送付する
  10. 教育訓練機関に受講料を支払う
  11. 受けた訓練から2か月以内に届くように支給申請に必要な書類を準備して労働局に送付する
  12. 訓練実施者の証明が必要な書類を訓練実施者に送付する
  13. 訓練実施者の証明書類を労働局に送付する
  14. しばらくすると入金される

対象企業であるかどうかの確認

申請しようとしている企業が人材開発支援助成金(人材育成支援コース)対象企業であるかどうかを確認しましょう。
下記条件を満たしていれば、ひとまずは助成金の対象となります。

  1. 雇用保険適用事業所の事業主である
  2. 申請前の6か月間、誰も解雇していない

人材開発支援助成金の対象となる労働者

助成金の対象者が労働者であることを確認しましょう。

雇用期間の定めがない人が対象です。
雇用保険に加入していない人や、代表取締役のように雇用保険に加入できない人は今回の助成金の対象とはなりません。

後述していますが、1人につき、1年度4/1~3/31の間に助成金を受けられる受講数は3つまでです。

年間職業能力開発計画の作り方

弊社では下の画像のような書類を作成しました。

労働局のかたが見ても分かるように、その教育機関の名称や所在地、eラーニングかOJT(On the Job Training)またはOFF-JT(Off The Job Training)の種別、教育にかかる時間についても記入しておきましょう。

特別教育や技能講習の申込書をプリントアウト

人材育成訓練が適用されるためには「実訓練時間数が10時間以上」と言う用件を満たす必要があります。
特別教育などは10時間に満たないものばかりなので適用外になりがちです。
ただ、複合できれば要件を満たすことも可能なようです。

受講しようとしている教育訓練名や講習日、講習開催場所や講習時間が分かる資料をプリントアウトしましょう。
eラーニングの場合は、その教育訓練機関のホームページの会社情報もプリントアウトしておきましょう。

ハローワークまたは労働局に助成金の対象になるかどうか確認

年間職業能力開発計画と特別教育や技能講習の申込書を持って、最寄りのハローワークや労働局に助成金の対象になるかどうか確認しましょう。
この時、雇用保険や労働保険について聞かれることがあるので、受け答えができる方が参加してください。

教育訓練機関に訓練実施者の証明をしてもらえるかどうか確認をする

事業内訓練の場合は自社の事なので確認するまでもありませんが、事業外訓練の場合は事前に「人材開発支援助成金(人材育成支援コース)支給申請承諾書(訓練実施者)」(様式第12号)の承諾が可能であることを教育訓練機関に確認しておきましょう。
訓練実施者の証明の書類は助成金の支給申請のときに必要になります。

事業内職業能力開発計画の作り方

助成金の対象になることが分かれば、事業内職業能力開発計画を作成しましょう。
弊社では下の画像のような書類を作成しました。

厚生労働省のホームページから事業内職業能力開発計画の作り方のお手本を見ることはできますが、面倒な方は私が作った事業内職業能力開発計画をダウンロードしてご活用ください。

私は参考資料を見ながら作成しましたが、完成まで3時間以上かかりました。

職業能力開発推進者の選任方法

職業能力開発推進者は、その企業の使用者でも被用者でも誰でも良いのですが、事業内職業能力開発計画を作成し、実施するような人が望ましいです。
事業所ごとに1名以上選任する必要があります。

選任したからと言ってどこかに届け出るような手続きはありません。
気軽に選任してください。

計画届の申請に必要な書類を準備して労働局に送付する

計画届は受けたい訓練の実施日の1か月以上前に受理される必要があるので、余裕をもって準備するようにしましょう。
人材開発支援助成金(人材育成支援コース)のOFF-JTの計画届の申請に必要な書類は下記の通りです。

  • 年間職業能力開発計画
  • 訓練の開催日、開催場所、訓練時間が分かる資料
  • 事業内職業能力開発計画
  • ★様式第1-1号(1つの訓練につき1書類必要)
  • ★様式第3号(1つの訓練につき1書類必要)
  • ★様式第11号

★印の書類については、下記URLからダウンロードいただけます。
「[1]計画届(変更届)を提出する場合」の様式をご参照ください。

⇒人材開発支援助成金(人材育成支援コース、教育訓練休暇等付与コース、人への投資促進コース、事業展開等リスキリング支援コース)申請書類(令和5年6月26日~)

★印の書類は教育訓練毎、教育訓練日時毎、教育訓練機関毎、教育訓練場所毎に書類が必要になります。
例えば、石綿作業主任者技能講習を2023年8月31日に○×教育訓練機関で◇県◇市◇町1-1-1でAさんBさんの2名が受けて、Cさんだけが2023年10月3日に受ける場合は下記のような2セットの書類構成になります。

必要書類の1セット目
必要書類 部数
2023年8月31日受講の職業訓練実施計画届(様式1-1号) 1部
2023年8月31日受講の訓練別の対象者一覧(様式第3号) 1部
2023年8月31日受講の人材開発支援助成金事前確認書(様式第11号) 1部
Aさんの雇用契約書の写しまたは雇用が確認できる書類の写し 1部
Bさんの雇用契約書の写しまたは雇用が確認できる書類の写し 1部
事業内職業能力開発計画 1部
訓練の開催日、開催場所、訓練時間が分かる資料 1部
必要書類の2セット目
必要書類 部数
2023年10月3日受講の職業訓練実施計画届(様式1-1号) 1部
2023年10月3日受講の訓練別の対象者一覧(様式第3号) 1部
2023年10月3日受講の人材開発支援助成金事前確認書(様式第11号) 1部
Cさんの雇用契約書の写しまたは雇用が確認できる書類の写し 1部
事業内職業能力開発計画 1部
訓練の開催日、開催場所、訓練時間が分かる資料 1部

訓練の開催日、開催場所、訓練時間が分かる資料に、訓練内容の明細がない場合は技能講習機関に準備してもらってください。
その際に、例えば1番から50番までのAグループの人は午前中実技で午後に学科のように、訓練内容にいくつかのパターンがあれば、どのグループで受講するのか事前に確認して答えられるようにしておきましょう。

尚、これらの計画届は、助成金を受けたい訓練が開催される1か月以上前に受理されていなければなりません。
不備や訂正の事を考えたら2か月前には提出しておきたいところです。

これらの書類はオンライン申請もできますし郵送で送付することもできます。
私はオンライン申請をしてみましたが、申請ページの操作方法などがとても分かりにくくて色々と面倒くさそうだったので郵送にしました。

郵送先は最寄りのハローワークまたは労働局のどちらでも良いそうですが、ハローワークに送付しても結局労働局に郵送されるようなので、直接労働局に郵送しました。

人材開発支援助成金(人材育成支援コース)職業訓練実施計画届確認通知書が届く

計画届に問題がなければ職業訓練実施計画届確認通知書が届きます。
私の場合は多少問題がありましたが、不備を修正した後に受理されました。

教育訓練機関に受講料を支払う

職業訓練実施計画届確認通知書が届いたら、計画届に記載した教育訓練機関に受講料を支払いましょう。
この時、できるのであれば銀行振り込みにした方が支給申請手続きの時の書類が少なくて済みます。

私は現金の手渡し払いで領収書をもらったのですが支給申請書類としてこの領収書だけでは不足と言われたので、会社の勘定元帳も必要になりました。

教育訓練を受講したら支給申請をするための書類を準備して労働局に送付する

支給申請は受けた訓練の実施終了日から2か月以内に届いている必要があるので、教育訓練受講後に速やかに発送できるように準備しておきましょう。
人材開発支援助成金(人材育成支援コース)のOFF-JTの支給申請に必要な書類は下記の通りです。

  • ★共通要領様式第1号(支給要件確認申立書と支払方法・受取人住所届)
  • ★様式第4号(計画届確認通知書の受付番号ごとに1書類必要)
  • ★様式第5号(計画届確認通知書の受付番号ごとに1書類必要)
  • ★様式第6号(計画届確認通知書の受付番号ごとに1書類必要)
  • ★様式第8-1号(計画届確認通知書の受付番号ごとに1書類必要)
  • ★様式第12号
  • 就業規則(賃金の締め日が分かる場所)
  • 場合によっては雇用契約書と労働条件通知書と所定労働時間変更についての申立書
  • 労働カレンダー
  • 助成対象労働者の該当月の出勤管理簿(出勤簿やタイムカードなど)
  • 助成対象労働者の該当月の賃金台帳
  • 教育訓練費用の支払い領収書(現金支払いの場合は勘定元帳も必要)
  • テキストを購入した場合はテキストの表紙と目次のコピー

★印の書類については、下記URLからダウンロードいただけます。
「[2]支給申請を行う場合」の様式をご参照ください。

⇒人材開発支援助成金(人材育成支援コース、教育訓練休暇等付与コース、人への投資促進コース、事業展開等リスキリング支援コース)申請書類(令和5年6月26日~)

共通要領様式第1号の説明欄に「支給要件確認申立書 こちらからダウンロードしてお使いください。」と記載があります。
リンク先のページ中ほどにある「申請様式」のあたりに「共通要領 様式第1号 支給要件確認申立書」がありますので、DOCX形式かPDF形式をダウンロードしてください。

また、そのすぐ下にある「支払方法・受取人住所届」も必要になりますので、ダウンロードしてください。
尚、支給申請書類につきましては対象労働者の給与が締まってからでなければ申請できないようになっておりますのでご注意ください。

必要書類として「場合によっては雇用契約書と労働条件通知書と所定労働時間変更についての申立書」を記載しておりますが、これは今回の助成金が所定労働時間内の訓練を支給対象としており、実際の訓練が所定労働時間外を含んでいたので所定労働時間変更についての申立書が必要となりました。

また、助成対象労働者の給与にみなし残業代や固定残業代が含まれていたので、それらを証明するための書類として雇用契約書と労働条件通知書が必要になりました。
雇用契約書と労働条件通知書は所定労働時間を証明する書類としても有効です。

申請期限のリスクを避けるために、訓練実施者の証明が必要な書類が整っていなくても送付可能な書類は全て送付しておきましょう。

訓練実施者の証明が必要な書類を訓練実施者に送付する

OFF-JTの場合は、様式第8-1号と様式第12号に訓練実施者の証明が必要な箇所がありますので、そちらの2書類を送付してください。
私は切手を張り付けて自社の住所を記載した返信用封筒を同封して郵送しました。

訓練実施者の証明書類を労働局に送付する

訓練実施者の証明が記入された書類が届いたら、それらの書類を労働局に送付してください。
私の場合は受けた訓練の実施終了日から2か月以上経過してこれらの書類を労働局に送付しましたが、あらかじめ遅れることをお伝えしていたので問題にはなりませんでした。

しばらくすると入金される

人材開発支援助成金の支給決定通知書が届いた日に入金がありました。
支給申請にかかるすべての書類を送付し終えたのが2023年12月6日で、助成金の支給決定通知書が届いたのが2023年12月27日でした。

書類の不備がなければ、支給申請から約3週間での入金が見込めます。

人材開発支援助成金(人材育成支援コース)の場合、特別教育は助成金の対象外なの?

今回私が利用した人材開発支援助成金(人材育成支援コース)では、特別教育は助成金の対象外だそうです。
建設の助成金である人材開発支援助成金(建設労働者技能実習コース)であれば助成金の対象になっています。

ただし、建設労働者技能実習コースを利用できた場合でも、その教育機関が厚生労働省から認定されているeラーニングか受講先でなければなりません。
認定されている機関であるかどうかを調べるためには、機関名と所在地を労働局に問い合わせて確認する方法があります。
余談ではありますが、私がよく利用しているCECCというeラーニングの教育機関は、2023年7月1日時点では認定機関ではありませんでした。

また、実訓練時間数が10時間以上である必要もあります。
ほとんどの特別教育の場合、実訓練時間数は10時間未満です。

ただ、同じ教育機関で複数の特別教育を受講するのであれば、合算で10時間以上になれば助成金の対象になることもあるようです。
この件については管轄の労働局にご確認ください。

人材開発支援助成金(人材育成支援コース)は何度でも受けれるの?

1人につき4月から3月までの1年度の間で3教育訓練までは助成金の支給があります。
ですから、私の場合は2023年4月~2024年3月の間に「石綿作業主任者技能講習」「酸素欠乏硫化水素危険作業主任者技能講習」「小型移動式クレーン運転管理者講習」の3つを受けるようにして申請しました。

来年度はリセットされるので「高所作業車運転技能講習」「車両系建設機械運転技能講習」「鉛作業主任者技能講習」の3つを申請して助成金を受けられるように計画をしています。
尚、教育訓練の合否が支給要件にかかることはありませんので、不合格だったとしても助成金を受け取ることに問題はありません。

また、不合格だった教育訓練を再度受講する場合も支給要件にかからないので、同じ教育訓練を何度でも申請することができます。


はい、という事で人材開発支援助成金(人材育成支援コース)のOFF-JTでもらえた助成金額は、石綿作業主任者技能講習1名分に対して15500円いただけました。
講習代として教育機関に支払った費用がテキスト代を含めて14080円だったので、1420円浮きました。

申請手続に時間はかかりましたが、何もしなければ15500円は受け取れていなかったので、面倒でしたが手続きを進めて良かったです。
今後は他の労働者も1年度に3つまでの教育訓練を受けてもらう予定です。

以上、「建材卸売業の会社が人材開発支援助成金からもらえた助成金額」でした。