外国人技能実習生受け入れ企業の会社名が変わったときにした手続き

「会社名が変わったんだけど、外国人技能実習生を受け入れている企業はどんな手続きが必要になるの?」

会社名が変わった時に私がとった手続き行動は以下の通りです。
思っていたよりもすごく簡素な手続きでした。

  1. 協同組合に連絡。
  2. 協同組合から書類が届く。
  3. 他の必要書類と合わせて返送。

協同組合に会社名変更の旨を連絡してから書類が届くまで17日かかったのが「なげーな」と思ったこと以外は、特にストレスを感じることもなく、手続きは完了しました。
ただ、もし、役員に選任された人が技能実習の業務にかかわるような場合は、少し手間取るかもしれません。
その理由を含めて、手続きの内容をもう少し掘り進めて解説します。

会社名変更の初動連絡

始めに私が協同組合にした連絡は、会社名が変更になったという事実と、それを証明する履歴事項全部証明書のコピーのEメール送信です。
この時に、会社名変更に伴う諸手続きが必要な場合は連絡してほしい事も伝えました。

協同組合から届いた書類

会社名変更の件でEメールを送信してから17日後に、やっと協同組合から返信がありました。
そこには、以下の書類を提出してほしいとの記載がありました。

  1. 登記事項証明書
  2. 今回新たに就任された役員の住民票、または誓約書

1番目の登記事項証明書については、役員でも何でもない私が法務局に行っても発行されるものなので簡単に準備することが出来ました。
登記事項証明書は発行日から3か月以内のもの出なければ有効ではありませんので、ご注意ください。

2番目について、弊社の場合は誓約書で済みました。
その理由は、技能実習生業務に直接的に関与しない役員の場合には、機構から公布されている「申請者の役員に関する誓約書」という書式を、住民票の代わりとして提出することが可能だからだそうです。

もし、新たに就任した役員が技能実習生業務に直接的に関与する場合は、発行日から3か月以内のもので、本籍地の記載がある住民票が必要になります。

協同組合に返送した書類

私が協同組合に返送した書類は、登記事項証明書(履歴事項全部証明書)の原本と、申請者の役員に関する誓約書、それに技能実習計画軽微変更届出書の3点です。
技能実習計画軽微変更届出書は協同組合から一定の情報が既に入力されていたので、私がした事は押印ぐらいです。

認定を受けることが出来ない役員

さて、弊社では新たに就任した役員の住民票の代わりに、申請者の役員に関する誓約書を送付することで引き続き認定を受けられるようになったわけですが、役員によっては認定を受けられなくなる事もあります。
それらが記されている法令を、以下に引用します。

外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律

(認定の欠格事由)

第十条 次の各号のいずれかに該当する者は、第八条第一項の認定を受けることができない。
一 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して五年を経過しない者
二 この法律の規定その他出入国若しくは労働に関する法律の規定(第四号に規定する規定を除く。)であって政令で定めるもの又はこれらの規定に基づく命令の規定により、罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して五年を経過しない者
三 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成三年法律第七十七号)の規定(同法第五十条(第二号に係る部分に限る。)及び第五十二条の規定を除く。)により、又は刑法(明治四十年法律第四十五号)第二百四条、第二百六条、第二百八条、第二百八条の二、第二百二十二条若しくは第二百四十七条の罪若しくは暴力行為等処罰に関する法律(大正十五年法律第六十号)の罪を犯したことにより、罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して五年を経過しない者
四 健康保険法(大正十一年法律第七十号)第二百八条、第二百十三条の二若しくは第二百十四条第一項、船員保険法(昭和十四年法律第七十三号)第百五十六条、第百五十九条若しくは第百六十条第一項、労働者災害補償保険法(昭和二十二年法律第五十号)第五十一条前段若しくは第五十四条第一項(同法第五十一条前段の規定に係る部分に限る。)、厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)第百二条、第百三条の二若しくは第百四条第一項(同法第百二条又は第百三条の二の規定に係る部分に限る。)、労働保険の保険料の徴収等に関する法律(昭和四十四年法律第八十四号)第四十六条前段若しくは第四十八条第一項(同法第四十六条前段の規定に係る部分に限る。)又は雇用保険法(昭和四十九年法律第百十六号)第八十三条若しくは第八十六条(同法第八十三条の規定に係る部分に限る。)の規定により、罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して五年を経過しない者
五 成年被後見人若しくは被保佐人又は破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
六 第十六条第一項の規定により実習認定を取り消され、当該取消しの日から起算して五年を経過しない者
七 第十六条第一項の規定により実習認定を取り消された者が法人である場合(同項第三号の規定により実習認定を取り消された場合については、当該法人が第二号又は第四号に規定する者に該当することとなったことによる場合に限る。)において、当該取消しの処分を受ける原因となった事項が発生した当時現に当該法人の役員(業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者をいい、相談役、顧問その他いかなる名称を有する者であるかを問わず、法人に対し業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者と同等以上の支配力を有するものと認められる者を含む。第十一号、第二十五条第一項第五号及び第二十六条第五号において同じ。)であった者で、当該取消しの日から起算して五年を経過しないもの
八 第八条第一項の認定の申請の日前五年以内に出入国又は労働に関する法令に関し不正又は著しく不当な行為をした者
九 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第二条第六号に規定する暴力団員(以下この号において「暴力団員」という。)又は暴力団員でなくなった日から五年を経過しない者(第十二号及び第二十六条第六号において「暴力団員等」という。)
十 営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者であって、その法定代理人が前各号又は次号のいずれかに該当するもの
十一 法人であって、その役員のうちに前各号のいずれかに該当する者があるもの

外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律

大雑把に言うと、社会的な信用が低い人が役員に就任すると、認定を受けられないという事です。
役員人事をする場合は、認定の欠格事由に該当しないような人を選任するようにしましょう。

技能実習生関連で他に変更の必要があるものって何があるの?

私が思いついたのは、健康保険・厚生年金・労働保険ぐらいです。
これらは私が思いつくまでもなく、会社として名義変更が当然必要になります。

他には、弊社の技能実習生が作業する工場の入構許可証の名義変更がありました。
協同組合に確認しましたが、これら以外に変更の必要がありそうなものは見つかりませんでした。


会社名が変わったときに、私が行った手続きは次の通りです。

  1. 協同組合に連絡。
  2. 協同組合から書類が届く。
  3. 他の必要書類と合わせて返送。

きちんとした手続きさえしていれば、万事O.K.です。

以上、外国人技能実習生受け入れ企業の会社名が変わったときにした手続き、でした。