「技能実習生を建設キャリアアップシステムに登録申請するにはどうしたら良いの?」
「ついでに日本人作業者も登録しときたいんだけど、どうしたら良いの?」
「どれぐらい時間がかかった?」
「私でもできる?」
「お金がかかるの?」
色々とお話する前に、まずここで解説している内容は建設キャリアアップシステムに既に事業者登録が完了している事を前提としています。
事業者登録がまだお済でない場合は、先に事業者登録を完了させておきましょう。
さて、技能実習生を建設キャリアアップシステムに登録申請するには、本人が申請するか他の誰かが代行申請するかどちらかを選ぶことが出来ます。
と言っても、技能実習生本人が申請するのは言葉の壁があるので現実的ではありません。
ここは事業者のかたか他の代行業者のかたが代わりに申請をするようにしましょう。
私が所属している会社の場合は、技能実習生3名と日本人作業者2名の合わせて5名分を私が代行申請しました。
申請書に必要事項を記入するなどの作業にかかった時間は5時間くらいです。
保険番号などを調べるのに手間取ったので結構時間がかかりました。
1人あたりに大体1時間くらいかかっていますね。
私はPCで申請書を作ったのでこれぐらいの手間で済みましたが、手書きをされる場合はもっと時間がかかると思います。
申請書をダウンロードしたのが2020年7月30日で、それから技能者登録完了⇒登録料の支払い完了⇒技能者情報登録完了までに49日かかりました。
建設キャリアアップシステムのICカードが届いたのは2020年9月26日だったので、手続きが完全に完了するまでにかかった日数は58日です。
この記事執筆時点ではコロナウィルス対策としてテレワークが推進されているので、余計に時間がかかっているのだと思います。
レスポンスが悪いのでイライラさせられましたが、テレワーク黎明期なんだから仕方がないと諦めるしかありません。
さて、インターネット申請をしようと思われているかたは、事前に以下の書類をjpeg化しておきましょう。
黒丸(●)は必須、白丸(◯)は状況に応じて必要です。
-
- マイナンバーカードまたは運転免許証またはパスポートのいずれか(技能実習生は在留カードでも可)
- 申請の6か月以内に撮影した顔写真(画像サイズは294×378ピクセル以上)
- 在留カード
- 健康保険確認書類(健康保険証など)
- 年金保険確認書類(保険料納入告知額・領収済額通知書など)
- 雇用保険確認書類(雇用保険被保険者資格取得等確認通知書など)
- 建設業退職金共済制度確認書類(建設業退職金共済手帳など)
- 中小企業退職金共済制度確認書類(掛金納付状況票及び退職金試算票など)
- 労災保険特別加入確認書類
- 主任技術者となる指定学科の卒業証明書
- 保有資格確認書類
- 研修受講履歴確認書類
- 表彰確認書類
建設キャリアアップシステムではjpegかjpg形式でないとアップロードできない仕様になっています。
以前のシステムであればブラウザによっては支払い決済手続きのところでエラーが発生して処理できなくなっていましたが、2022年1月現在ではGoogle Chromeでも問題なく処理できているのでご利用のブラウザに関しては特に気にする必要は無さそうです。
ただ、以前と違って窓口での申請ができなくなっているので、PC操作が苦手な方にとっては取り組みにくくなっています。
それでは、建設キャリアアップシステムのインターネット登録申請について、費用面から順番に解説していきます。
目次
技能者登録料
建設キャリアアップシステムに技能者として登録されると登録料がかかります。
登録料には、建設キャリアアップカードの発行も含まれています。
2022年1月25日時点での技能者登録料は以下の通りです。
申請方法 | 技能者登録料(10年ごと)税込 |
---|---|
インターネット | 簡易型2,500円、詳細型4,900円 |
申請時に60歳以上だった場合、2023年3月末まではインターネット申請料が2,000円(10年間有効)。 建設キャリアアップカードの再発行は1,000円。 |
インターネット代行申請に必要な同意書の作成
技能者登録の代行申請に必要な同意書は、建設キャリアアップシステムに事業者としてログインした後のマイページのようなところ(以下マイページとします)からダウンロードできます。
建設キャリアアップシステムに事業者としてログイン⇒左メニューの「710_代行申請」⇒「10_同意書様式取得」に進み、技能者用の新規登録申請の新規申請様式の一括DLから取得できるすべての書類をダウンロードしてください。
2022年1月25日時点でダウンロード出来た書類は以下の通りです。
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- 技能者用/新規登録申請/代行申請同意書
- 技能者用/新規登録申請/個人情報の取り扱い同意書
- 技能者用/新規登録申請/システム利用規約同意書
登録申請しようとしている技術者1人につき、同意書がそれぞれ1枚ずつ必要になります。
代行申請同意書に記入する事業者IDは、マイページ⇒「510_閲覧」⇒「10_自社情報」からご確認いただけます。
代行申請同意書だけは技能者本人の自筆サインと押印が必要なようでしたが、他の2つに関しては記名と押印があれば良いようなので、PDF編集ソフトで私が記名しました。
押印について、画像データを貼り付けるか署名入りの押印データにしようか迷いましたが、受け取りを拒否されると面倒くさいのでインクの押印にしました。
補足ですが、ここでご説明している申請方法はインターネット申請です。
郵送や窓口での申請をご検討されているかたは、建設キャリアアップシステムの公式ホームページから進めてください。
作成した代行申請同意書は後でアップロードするので、1枚ずつスキャンして保存してください。
ファイル形式はjpgかjpegでなければアップロードできないのでご注意ください。
pdfからjpegに変換したい場合は、iLovePDFというサイト(外部サイト)が便利です。
技能者情報の作成
マイページからダウンロードできるエクセルファイルに、登録したい技能者の情報を入力しましょう。
エクセルファイルをダウンロードできる場所に行くには、マイページ⇒「710_代行申請」⇒「20_技能者の新規代行」に表示されている「エクセルファイル」というテキストリンクから移動してください。
「エクセルファイル」というリンク先からダウンロードできるファイルはpdfが3種類、エクセルファイルが1種類の合計4種類です。
定められたルールに従ってエクセルファイルに入力しなければならないので、解説書も全てダウンロードしておきましょう。
ダウンロードしたエクセルファイルを開いて実際に入力をしてみると分かるのですが、何を入力すべきかわかりにくい項目がいくつかあります。
そんな時は解説書に目を通すことで解決することがあります。
どうしてもわからない時は建設キャリアアップシステムのお問い合わせページから質問してみましょう。
私が分かりにくかった項目がいくつかありましたので、それらにつきましては解決策と合わせて以下に記しておきます。
- 「緊急連絡先_電話番号」を入力したのにセルが黄色いままになっている
- 2022年1月12日時点でダウンロードできるエクセルの数式を確認したところ、以下のように数式の途中に#REF!というエラーがあるため何をしても解消されることはありません。
=AND(COUNTA($A4:$BC4)>0,IF(ISERROR(FIND(“-“,MID(#REF!,FIND(“-“,AK4)+1,LEN(AK4)))),TRUE,OR(LEFT(AK4,1)<>”0″,TEXT(VALUE(SUBSTITUTE(AK4,”-“,”0”)),REPT(“0″,LEN(AK4)))<>SUBSTITUTE(AK4,”-“,”0”))))
セルが黄色いままでもあまり気にせずに作業を進めましょう。 - 「所属事業者_建設許可番号種類」が何を意味するのかわからない
- 「所属事業者_建設許可番号種類」は大臣・知事コードのことです。下記のコード一覧をご参照ください。
許可元 コード 国土交通省 00 北海道 01 青森県 02 岩手県 03 宮城県 04 秋田県 05 山形県 06 福島県 07 茨城県 08 栃木県 09 群馬県 10 埼玉県 11 千葉県 12 東京都 13 神奈川県 14 新潟県 15 富山県 16 石川県 17 福井県 18 山梨県 19 長野県 20 岐阜県 21 静岡県 22 愛知県 23 三重県 24 滋賀県 25 京都府 26 大阪府 27 兵庫県 28 奈良県 29 和歌山県 30 鳥取県 31 島根県 32 岡山県 33 広島県 34 山口県 35 徳島県 36 香川県 37 愛媛県 38 高知県 39 福岡県 40 佐賀県 41 長崎県 42 熊本県 43 大分県 44 宮崎県 45 鹿児島県 46 沖縄県 47 - 「所属事業者_建設許可番号年」が何を意味するのかわからない
- 「所属事業者_建設許可番号年」につきましては、マイページ⇒「510_閲覧」⇒「10_自社情報」に表示されている建設業許可情報の表を横にスクロールすると確認できます。
- 「建設業退職金共済制度_加入状況」を選択したのにセルが黄色いままになっている
- 数式に不備があるので何をしてもセルが黄色のまま変化しません。ひとまず無視して進めても問題はありません。
- 「中小企業退職金制度_加入状況」には何を入力すればよいのか
- 加入していなければ「0」加入していれば「1」を入力してください。
- 「技能職種_大分類コード」「技能職種_小分類コード」には何を入力すればよいのか
- 建設キャリアアップシステム 登録申請書コード表 第3版に記載されている技能職種の表をご参照ください。
- 「技能職種_大分類コード」「技能職種_小分類コード」を入力したのにセルが黄色いままになっている
- 数式に不備があるので何をしてもセルが黄色のまま変化しません。ひとまず無視して進めても問題はありません。
技能者情報と同意書類のアップロード
技能者情報の入力をして保存したエクセルファイルをアップロードしましょう。
アップロードをするには、マイページ⇒「710_代行申請」⇒「20_技能者の新規代行」⇒「参照」からアップロードしたいエクセルファイルを選択してください。
その後「エクセル取込み」ボタンを押すと、同ページ内の代行申請一覧にデータが表示されます。
代行申請一覧に表示されたデータを横にスクロールすると「編集」ボタンがあるので、そこから一人ずつ同意書類や本人確認書類をアップロードしていきます。
アップロードが必要な書類が多いので、事前にjpeg化していないと作業が間に合わなくなって強制的にログアウトする恐れがありますのでご注意ください。
すべて入力し終わったら申請ボタンを押して処理を完了させます。
私はエラーが表示されたので、その内容と解決策を以下に記します。
- エラーOP02GGS02130-006:技能者情報一時保存_代行申請済み更新(新規申請)処理に失敗しました。詳細:バリデーションエラー所属事業者情報リスト[0].所属事業者メールアドレス(確認用)は入力必須です。
- 新規申請確認(代行)画面の真ん中ぐらいに戻ると「所属事業者」の欄があるので、鉛筆マークをクリック⇒編集ボタンをクリックして必須項目を埋めてください。
申請が完了したらなぜか決済画面が表示されます。
同意して次に進むことができるようになっていますが、書類に不備があるかどうかの審査があったわけでもないのになぜか決済を促されます。
私の場合は同意して先に進むと「処理が継続できません。(960004)」というエラーが出てそれ以上は進めませんでした。
閉じるボタンを押しても何のアクションも無かったので、次の技能者を登録するために左メニューから「710_代行申請」⇒「20_技能者の新規代行」と進みました。
このシステムは他にも色々と欠陥が多いので、早く改善していただきたいものです。ε-(•́ω•̀๑)ハァ
2020/8/31にようやく決済処理をする事ができたので以下に追記します。
技能者登録料の支払い方法
960004のエラーが出ていたので技能者登録料の決済ができずにいましたが、建設キャリアアップシステムのホームページに「ブラウザを変更したら良い」みたいなことが書かれていたので、Google ChromeからEdgeに変更して手続きをした結果、ようやく決済処理を進めることが出来ました。
Google Chromeでもバージョンによっては決済可能みたいですが、私は最新バージョンに更新してもエラーが表示されたので、皆さんはEdgeかInternet Explorerを利用したほうが良いでしょう。
2022/1/25時点では Google Chrome で決済可能になっています。
さて、技能者登録料のお支払いは、マイページ⇒「710_代行申請」⇒「33_技能者の変更代行申請の支払」に表示されている選択ボタンから手続きを進める事が出来ます。
このシステムにブラウザが対応できていれば以下のように支払方法を選択できるはずです。
支払方法はクレジットカードか払込票のどちらかを選択できます。
私はクレジットカード決済でエラーが出るとまた面倒な事になると思ったので、払込票によるコンビニ決済を選択しました。
技能者登録の支払い手続きが終わると「【建設キャリアアップシステム】申請受付のお知らせ」というメールが届きます。
余談ですが、技能者登録料の支払い手続きで一度エラーを出してしまうと、その人の支払いが処理中となってしまうので改めて手続きをすることができなくなるのでご注意ください。
しばらく時間をおくと処理中の表示が解除されます。
私の場合は解除されるまで約30分かかりました。
申請情報の審査
おそらくですが、技能者の申請情報に審査はありません。
おそらくと表現したのは、技能者登録をしてすぐに登録料の決済ができたからです。
もし登録した技能者に問題があったとしたら、あとで登録を抹消される可能性はあります。
審査らしい審査は無いようですが、提出書類と登録内容が一致していない場合は「【建設キャリアアップシステム】技能者情報申請内容不備のお知らせ」と言うメールが届きます。
提出書類と登録内容が一致した場合は「【建設キャリアアップシステム】技能者情報登録完了のお知らせ」と言うメールが届きます。
代行の代行で申請してくれるところはないの?
あります。
行政書士や社会保険労務士などの士業のかたが受け付けているはずです。
私が少しお調べしたところ、報酬の相場は技能者登録1人当たり約20,000円といったところでした。
私の場合は1人当たり1時間の作業だったので、単純計算だと時給約20,000円の仕事をした事になります。
何というか、代行業ってすごく儲かるんじゃないでしょうか。(笑)
審査に合格しなかった場合はどうしたら良いの?
前述していますが、審査らしい審査はないので入力情報や書類に不備が無ければ不合格にはならないはずです。
ただ、登録した後で何か問題になるような事が見つかれば登録を取り消される可能性は十分にあります。
事業者登録と技能者登録以外に建設キャリアアップシステムに登録しておくべき情報は?
技能実習生の受け入れ条件を満たすだけで良いなら、今のところこの記事でご説明した情報以外に登録すべき情報はありません。
建設分野における技能実習生の受け入れをするために必要なのは、事業者登録と技能実習生の技能者登録だけです。
はい、という事で技能実習生を建設キャリアアップシステムに登録申請するには、まずは事業者登録を済ませる必要があります。
それから建設キャリアアップシステムにログインして、手続きを進めてください。
技能実習生を技能者として登録する際に、日本人作業者も同じように登録することが出来ます。
私はPC操作に慣れている方ですが、インターネット申請をするだけでも1人当たり1時間ぐらい時間がかかりました。
そこそこPC操作に慣れているかたでないとインターネット申請は難しいかもしれません。
審査に合格して技能者として登録されると、簡易型であれば1人当たり2,500円、詳細型であれば1人当たり4,900円が必要になります。
支払いが終わった後にICカードが発行されるので、券面のスキャンデータは会社で保管して原本については本人に持たせておきましょう。
以上、「技能実習生を建設キャリアアップシステムにセルフ代行で登録してみた」でした。